日が落ちて、雨になった。
天気予報を確認する習慣がないので傘は持っていない。
だれかの置き傘を借りて、家に帰る。
歩きながら、いつもと同じフレーズが頭をよぎった。
”引っ越ししたい”
今の家に特に不自由はない。
駅も近く、オフィスにも歩いて行けるし、公園もある。
お気に入りのご飯屋さんもある。
間取りも一人暮らしには広い方だし、モノの多い私に必要充分な収納もあった。
(しいて言えば家賃が少しだけ割高なところと室内の床の木の色が気にいらないところかな?)
思えば20代前半から毎年といって良いほど移動を繰り返していた。
長期出張・転勤・配置転換が当たり前の生活を10年間過ごして来た。
前いた会社を辞めて大阪に戻って1年が経ち、改めて自分が生きていく拠点を設けた事に気づいた。
環境の変化に慣れていく日々の時間の変化と並行してなんとなく今まで過ごしてきた。
居心地など、住んでみればどこも一緒だと思っていた。
今生活しているところは一過性のもの。
そう思っていた。
でも最近そういう考えではなくなっている自分がいる。
居心地の良い、過ごしやすい、よく雑誌のインテリアページで目にするけれど、
きっとこういうことなんだろうか、、、、。
あ、家着いた。
下のご飯屋さんで一杯飲んで帰ろう。